地方独立行政法人 新小山市民病院

医療・介護

1946年に小山町に開設された、国民健康保険直営診療所(24床)から続く病院。2016年に移転してきた現在地では診療科目31科、病床300床を有する。「市民に信頼され、必要とされる、地域密着型の急性期中核病院」をあるべき姿だと定め、日々業務を行っている。

〒323-0827 栃木県小山市大字神鳥谷2251-1

栃木県小山市の中核病院が
病室Wi-Fiをクラウド管理で導入

栃木県小山市の地方独立行政法人 新小山市民病院では、2020 年に病室Wi-Fi の導入を行った。病院側でWi-Fi を準備することで、業務用Wi-Fi への干渉源となる患者のポケットWi-Fi の持ち込みの抑制と、患者に有意義な時間を過ごしてもらうことが目的だという。そこで選ばれたのが、クラウド型ネットワーク管理サービス『Nuclias Cloud』に対応する無線アクセスポイント『DBA-2820P』だ。診療科目31 科、病床300 床を有する本院で、どのように運用されているのだろうか? 本院のシステム管理者である吉野絢祐氏と、日興通信株式会社の川津辰徳氏に詳しく話を伺ってみた。

<POINT>

  1. 病院からのWi-Fi 提供で患者のポケットWi-Fi 持ち込みを抑制

  2. 入院生活および外来患者の待ち時間がインターネットで有意義に

  3. 各担当者の端末からアクセスできる管理画面で業務効率アップ

▲ 『DBA-2820P』はクラウド型ネットワーク管理サービス『Nuclias Cloud』に対応する、Wi-Fi 5(IEEE802.11ac Wave2) 無線アクセスポイント。送受信アンテナをそれぞれ4 本内蔵し、通信速度は理論値で最大1733.3Mbps を有する。病院や民間企業、学校、公共など多様な業種の、幅広いシーンで利用できる。『Nuclias Cloud』のWeb ダッシュボードは日本語対応で、無線・有線LAN の設定や監視などをクラウドから集中管理できる。WPA3/WPA2 やEnhanced Open といった暗号化技術をはじめ、端末同士の折り返し通信禁止、メール・SNS・SMS 認証など、総務省が推奨する「Wi-Fi 提供者向けセキュリティ対策」を実現する機能が充実。インターネットへの接続のみを許可する「ゲストアクセスモード」も、病室Wi-Fi に適した機能となっている。

近年ではご年配の入院患者でも
YouTube を見て過ごす方が増えている

近年のスマートデバイスの隆盛によって、日常に溶け込んだWi-Fi。入院生活でも使用を求める声が増え、病室Wi-Fi の普及が進み始めている。栃木県の新小山市民病院は、県内としては早期から病室Wi-Fi の提供を開始した。本院でシステム管理者を務める吉野絢祐氏いわく、理由は二つあるという。

「一つ目は入院患者様が持ち込まれたポケットWi-Fi と、業務で使うWi-Fi の電波干渉を避けるためです。最近ではご年配の入院患者様でもYouTubeを見て過ごす方が増えていて、病室にポケットWi-Fi が持ち込まれるケースも増加してきました。そうなると、入院患者様が使用するWi-Fi の周波数帯はコントロールできない。そこで、病院が用意したWi-Fi を入院患者様に使っていただくことで、病室は2.4GHz、業務用は5GHz といった具合に周波数帯を分けることが可能になります。二つ目の理由は、患者様の時間を有意義に過ごしていただくためです。当院は入院患者様だけではなく、外来の患者様にも、待ち時間にWi-Fi を使っていただけるようにしているんです。長い方だと半日を院内で過ごす方もいらっしゃいますから」

地方独立行政法人 新小山市民病院
システム管理室
吉野絢祐氏

本院が病室Wi-Fi のために導入したのが、クラウド型ネットワーク管理サービス『Nuclias Cloud』に対応する無線アクセスポイント『DBA-2820P』。DBA-2820P を吉野氏に提案した理由を、日興通信株式会社の川津辰徳氏に尋ねた。

「広い病院はクラウドで一元管理した方が良いと考え、Nuclias Cloud 対応のDBA-2820P を提案させていただきました。数あるクラウド管理対応の無線アクセスポイントの中からD-Link の製品を選んだのは、茨城県下妻市の小学校で導入実績があったからです。学校と建物の作りが似ている病院なら、安定してWi-Fi が使えるだろうと判断しました。今回は1台のDBA-2820P で2 ~ 3 部屋のWi-Fi をまかなえるように設置しています。各部屋の扉を閉めた状態で電波の試験を行い、導入台数を決めました」

D-Link の無線アクセスポイントは、価格に大きな優位性があると吉野氏が続ける。

「他社の製品とも比較したのですが、D-Link は製品の価格だけではなく、保守費用も満足のいく価格でした。それでかつ、信頼の置ける製品だと川津さんに推していただいたので、D-Link の無線アクセスポイントを選んだのです」

日興通信株式会社
東関東ブロック つくば支店
営業部 営業課
エリアマネージャー
川津辰徳氏

▲廊下に設置されているDBA-2820P。3部屋分のWi-Fi を担っている

▲各階に設置されたギガビットL2 スタッカブルマネージドスイッチDGS-1510-28XMP。DBA-2820P にデータ伝送およびPoE 給電を行う目的で設置した

Nuclias Cloud の管理画面は
必要な情報にすぐたどり着ける

本院はセキュリティ面を考慮して病室Wi-Fi 専用の光回線を引き、業務用ネットワークと物理的に分離する手法を採用している。4階建てとなる本院の各階に、データ伝送およびPoE 給電用として、ギガビットL2 スタッカブルマネージドスイッチDGS-1510-28XMP を設置。そこからDBA-2820P 複数台へ接続し、患者にWi-Fi を提供している。Nuclias Cloud のクラウド管理は、システム管理者にとってメリットが多いと吉野氏は語る。

「各担当者が自分の端末からNuclias Cloud の管理画面にアクセスできるのは、業務のしやすさにつながっています。管理用の専用端末を用意する必要がないのは、非常に助かりますね。Web ダッシュボードが日本語というのも、安心して使える大きな要因の一つ。管理画面は視認性が高く、必要な情報にすぐたどり着けますね。地図の画像データを読み込めるフロアプラン機能は、誰が見てもステータスがすぐ分かるので重宝していますよ」

実際に病室Wi-Fi の運用が始まり、使用時間や通信量で制限をかけずとも、患者は快適にインターネットを楽しめているそうだ。この結果は院内でも好評で、Wi-Fi を使えるエリアを増やそうという話が院内各所からきていると吉野氏は話す。

「次は職員用のフリーWi-Fi を敷設するために、追加でD-Link の無線アクセスポイントを注文しています。コロナ禍で集合研修ができなくなり、e ラーニングでの動画研修がメインになったからです。息抜きとして、お昼休憩にもW-Fi を利用してもらえればと考えています」

▲Nuclias Cloud に搭載されている機能の一つである、フロアプランの画面。地図の画像データを読み込んで、任意の場所に無線アクセスポイントの情報を配置できる

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