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独立行政法人 国立病院機構 大阪医療センター

医療・介護

大阪医療センターは、1945 年に開設され、1947 年に現在の大阪城近く谷町四丁目に移転してからも、長きにわたって大阪市民の健康と生活を支えてきた。現在は686 病床を有し、24 時間365日体制で3 次救急にも対応する大規模病院である。数多くの診療科を備え、幅広い医療を提供することに加え、ロボット支援手術など低侵襲な治療にも注力。地域がん診療連携拠点病院、地域災害拠点病院、地域医療支援病院、近畿ブロックのエイズ治療拠点病院の役割を担っている。

〒540-0006 大阪市中央区法円坂2-1-14

患者満足度を高めるべく、要望の高かったフリーWi-Fi環境を外来と入院棟に構築

大阪府大阪市の独立行政法人国立病院機構大阪医療センター(以下、「大阪医療センター」)は、患者からの要望を機に、患者満足度を高める施策の一つとして、外来と病棟の患者向けにフリーWi-Fiを提供することを決定したという。その後入札を経て導入されたのは、クラウド型ネットワーク管理サービス『Nuclias Cloud』対応の無線アクセスポイント「DBA-2520P」と、PoE給電スイッチ「DGS-1250-28XMP」、さらにそれらを集約するL3スイッチ「DGS-1520-28」の3機種だという。2023年4月からフリーWi-Fiが本稼働を開始する中で、患者満足度への効果や、既存のネットワークとの住み分けなどについて、本院企画課の柴田氏と、トーテックアメニティ株式会社西日本システム営業部の山田氏に話を伺った。

<POINT>

  1. 既設のネットワークと完全に分離した、患者および研修医向けのフリーWi-Fiを構築

  2. 通常業務に影響が出ないよう、患者が自らWi-Fiに接続することを予め告知

  3. 安定した通信で、高い患者満足度を獲得。クラウド運用管理は負荷低減にも寄与

導入製品紹介

無線LANアクセスポイント「DBA-2520P」は、802.11ac Wave2 3ストリームに準拠し、D-Linkのクラウド型ネットワーク管理サービス『Nuclias Cloud』から、多台数管理が可能な製品である。『Nuclias Cloud』の日本語対応ダッシュボードから設定や管理運用までサポートが可能。導入時は予め設定をクラウドに入れておくことで、現地では電源とLANケーブルを挿入して完了するゼロタッチ設定や、数クリックでゲスト向けWi-Fiを提供可能なゲストアクセスモードに対応。無線LANアクセスポイントにPoE給電を行っているのが、「DGS-1250-28XMP」だ。PoE+ギガビット24ポートと10Gアップリンクを備え、SNMP管理と業界標準のCLI設定が可能。最大370WまでのPoE給電が可能な製品だ。L3スイッチの「DGS-1520-28」は、PoEスイッチを集約し、2つの棟間を10G接続する役割を担っている。ギガビット24ポートと、10GBASE-T×2、10G SFP+×2を搭載。スタック冗長など冗長性にも優れた機器である。

患者満足度を高めることを目的に、患者向けのフリーWi-Fiの導入を決定

患者向けフリーWi-Fi導入の検討が始まった経緯とは

 600 床以上の病床をもち、大規模病院に区分される大阪医療センターで、患者向けのフリーWi-Fi 導入の検討が始まった経緯について、本病院の企画課財務管理係長の柴田氏に話を伺った。
 「病棟にフリーWi-Fi を入れて欲しいという、患者様からの要望があったことをきっかけにして、令和3 年10 月ごろから検討を始めました。当時は外来のロビーなど一部の区画にフリーWi-Fi 用の無線アクセスポイントが設置されていたのですが、病棟には設置されていませんでした。大阪医療センターの入院患者は高齢者の方も多いのですが、昨今の高齢者の方は自前のスマートフォンやタブレットを元々お持ちの方も多いですし、ご家族から渡されるなどもあり、入院中に通信をする機会も多くなっています。そのような状況から、患者様からWi-Fi を利用したいという声が強くなってきていたこともあり、大阪医療センターの目標の一つである『患者満足度の向上』を実現できる施策の一つとして、検討が始まりました」
 柴田氏が着任した令和4 年度以降、上記のような検討を引き継ぐとともに、本格的な導入に向けて動き出したという。そうした動きの中で、トーテックアメニティ株式会社(以下、トーテックアメニティ)をはじめ、複数社へのヒアリングを始めたと当時を振り返る。この各社へのヒアリングの中で、非常に困った問題が明らかになったという。
 2022 年(令和4 年)は、過去に例がないほど半導体不足が深刻化した時期で、半導体が入手できない各メーカーで納期が大幅に遅れ、製品が納入できない状況が長期間に渡って続いたそうだ。
 こうした状況の中で、トーテックアメニティは、D-Link の製品を提案することにしたと語る。「当時は多くのメーカーとも折衝していたのですが、半導体不足で納期が不透明な状況の中、D-Linkさんであれば入札案件に対し納期調整に協力いただけることが分かりました。クラウドでの一元管理もできるので、運用面でもかなりメリットを感じ、ご提案をさせていただいたのが経緯ですね」と話すのは、このプロジェクトを担当したトーテックアメニティのネットワークソリューション事業部 西日本システム営業部の山田氏だ。
 最終的には入札での調達ではあったが、価格や納期、クラウド管理ができる面に魅力を感じ、提案を行ったと山田氏は語る。
 令和4 年度に実施した入札で、正式に約150台の無線アクセスポイントと、約30 台の管理型スイッチが採用されることが決まり、令和5 年4月から本稼働を始めたという。

既設ネットワークや通常業務に影響を与えないよう、独立したネットワークと運用ルールを構築

 患者向けおよび研修生向けのゲストWi-Fi について、構成や運用についてもお話を伺った。
 「既設のネットワークに影響が出ないように、導入時点でフリーWi-Fi は独立したネットワークとして案件は進めました。インターネット回線もフリーWi-Fi 専用で新たに10 ギガ回線を引きました。他の既存回線もあったのですが、かなり通信量を使う想定もありましたし、ネットワークを切り離しておけば何かあっても調べやすいという考えもありました。また無線LAN についても、既設Wi-Fiとは使用可能な無線チャネルを分けて、電波干渉がないように住み分けをしています」と柴田氏は語る。
 運用面でも業務に影響が出ないよう、利用者に様々な制約を設定したそうだ。
 「まずフリーWi-Fi の利用者から、職員の方に問い合わせをしなくても利用できるよう、Wi-Fi 接続用のQR コードを用意したり、スマートフォンを対象にした簡易手順書を作成するなど、利用者で全て完結できるよう工夫しました。運用のところで職員の方に問い合わせが入ってしまうと、本来の業務ができなくなってしまうケースも想定され、患者様ご自身で設定して自分で繋いでくださいという文言を、ポスターと一緒に掲載させていただいています」と、トーテックアメニティの山田氏は話す。
 利用規約もホームページに掲載するなど、注意書き関連については、告知を徹底しているという。

▲病棟に設置された無線アクセスポイント

高い評価を得られたフリーWi-Fiと今後の展開について

 患者向けおよび研修生向けの設備として新規に導入したフリーWi-Fi への評価は、「非常に評判が良い」と柴田氏は話す。外来ロビーや病棟などでインターネットや動画の閲覧で使っているそうだが、導入から約3ヵ月が経過するものの、接続できないなどの問い合わせもないそうだ。大阪医療センターでは、患者満足度調査を毎年実施しており、入院環境や入院生活の点数上昇への期待も持っているという。また、運用面についても山田氏は語る。「クラウド管理は、運用管理の手間を極力省きたいというニーズにマッチしていました。通常は「Nuclias Cloud」の発報機能で障害検知を実現できるようにしています。特にWEBダッシュボードが分かりやすく、直感的に設定作業が可能な点が良かったです。一点対応していれば良かったと思ったのは、フロアマップ上でスマートフォンやタブレットなどのクライアント接続状況が、リアルタイムで確認できると、さらに良くなると思いました。その他については、ネットワークもとても安定していて、使いやすい点には満足しています」。
 患者や研修生が享受するフリーWi-Fi への満足感の高さとともに、D-Link 製品への満足感だけではなく、機能に関する前向きな提言をいただくなど、インタビューを通してD-Link 製品への期待感を感じることができた。

▲サーバルームに設置されたL3スイッチ

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