エア・ウォーター物流株式会社

工場・倉庫

高圧ガスから冷凍食品までを取扱い、北海道と全国の拠点を結ぶ物流の一翼を担うエア・ウォーター物流株式会社。2013年7月より稼働する札幌低温センターでは、低温エリアでのハンディターミナル活用などIT面でのチャレンジに加え、貯蔵した雪を活用した低温多湿貯蔵庫を設置するなど環境負荷削減へのチャレンジも進めている。

〒062-0052 札幌市豊平区月寒東2条16丁目1番6号

ヒーター内蔵のDAP-3690でマイナス30度をクリア結露を防ぐ工夫と合わせ、
低温エリアをカバー

エア・ウォーター物流株式会社は、札幌近郊に新たに低温までをカバーする物流中継基地を開設、ハンディターミナルを活用した業務を開始する。物流業務の精度向上を支えるハンディターミナルだが、従来は低温エリアでの展開は難しいと言われていた。冷凍倉庫内の環境は通信機器の設置には厳しすぎるためだ。しかしD-Link社の屋外仕様無線AP DAP-3690を採用することで、マイナス30度に迫る低温エリアでもハンディターミナルを使用可能な環境を実現している。

<POINT>

  1. ハンディターミナルの活用を進めるため倉庫内に無線LANを設置

  2. ヒーターも内蔵する屋外仕様の無線APで低温エリアもカバー

  3. 温度エリアにより対応機器を組み合わせトータルコストを削減

業務精度向上のため広範囲でのハンディターミナル活用へ

エア・ウォーター物流株式会社は、新たな物流拠点となる札幌低温センターを2013年に開設した。道内のネットワークを活かした迅速な輸送のほか、東日本、西日本のグループ企業との連携により国内各地とも結ばれる。多様化する顧客ニーズに応えるため、札幌低温センターは5つの特長を備える拠点としてつくられた。1つ目は、高速道路I Cのすぐそばという好立地。2つ目は、在庫管理業務のシステム化による作業の効率化と物流品質の向上。3つ目は、ハンディターミナルやデジタルアソートシステムを使用した正確な仕分けの実現。4つ目は、定温や低温を含む5温度帯への対応。5つ目は、雪の自然エネルギーを活用した環境対策へのトライアルだ。
「社内の他拠点において、5度から8度程度のチルドエリアや常温エリアでのハンディターミナル導入実績はありました。紙に印刷された仕分けリストを使う従来の手法では、どうしても仕分け能力が俗人化します。また人手に頼る以上、ミスや見落としはどうしてもゼロにはなりません。札幌低温センターでは業務精度を向上させるため、できる限り広いエリアを対象にシステム化したいと考えました」
札幌低温センターへのハンディターミナル導入についてそのように語ってくれたのは、エア・ウォーター物流株式会社 白石営業所長の三津田 誠司氏だ。

屋外仕様無線APの選択によりマイナス30度の低温エリアに対応

紙を使う手法ではリストの順番に従って作業するため、熟練作業者であっても作業効率の劇的な向上は期待できない。しかも仕分け業務が終わって仕分けリストが事務所に戻ってくるまでは、在庫品も棚の空き状況も把握できない。ハンディターミナルやデジタルアソートシステムの導入と在庫管理のシステム化はこうした悩みを解消してくれるが、ハンディターミナルを使うためには低温センター内に無線LANを配備しなければならない。
「低温エリアは通信機器を設置するには過酷な環境です。しかも多くの無線LAN機器は屋内利用を前提としているため、そのような過酷な条件下での正常動作を保証されている機器はほとんどありません」
無線LAN機器の選定を振り返ってそう語るのは、エア・ウォーター物流のパートナーとして札幌低温センターのシステム化に取り組んだ、株式会社日立ソリューションズ東日本 北海道ソリューション営業部の石澤 憂一氏だ。低温環境に耐えられるような無線LAN機器自体はほとんど見つからなかったが、低温エリアでのハンディターミナル活用という目的をエア・ウォーター物流と共有し、実現するために日立グループの力も得て目的の製品にたどり着いた。D-Link社の屋外仕様無線APを提案した株式会社日立ソリューションズ・ネクサス 産業・流通ソリューション本部の齋藤 寛記氏は、製品について次のように言う。
「同様の環境に耐えられる他社製品もいくつかありましたが、不要なほど高スペックで高価でした。D-Link社のDAP-3690はヒーターを内蔵してマイナス40度の環境でも動作可能なうえ、必要なエリア全体を低コストでカバーできるのが魅力です」

物流の精度向上と効率化へ向けて歩み始める新センター

2013年春、札幌低温センターは完成し、7月の本格稼働開始に向けた予冷が始まった。5度から8度のチルドエリアにはDWL-6600APが、マイナス30度近くになるフローズンエリアにはDAP-3690がそれぞれ設置された。いずれも結露対策として、天井との間にわずかに隙間を設けて取り付ける工夫がなされている。ハンディターミナルを含むシステムも完成し、効率と精度の高い物流拠点としての活躍を期待していると三津田氏は言う。
「特に期待しているのは、ハンディターミナルを使った精度の高い仕分けと、リアルタイムな在庫管理です」
ハンディターミナルの活用により在庫管理がリアルタイムになれば、空いている棚をリアルタイムに把握してフリーロケーションでの棚管理が可能になる。また、作業の進捗状況に合わせた作業者の配置など、人的リソースの最適化にも取り組んでいきたいと、三津田氏は展望を語る。
「物流を効率化させる改善策はいくつもあります。今は、システム化された倉庫を得て改善へのスタートラインに立ったばかり。まずは安定稼働させ、そこから品質の向上に取り組み、顧客メリットとして提供できるようになるのが目標です」
倉庫内に無線LANを張り巡らせた札幌低温センターを得て、エア・ウォーター物流の精度向上、生産性改善への取り組みは新たな一歩を踏み出したばかりだ。

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